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【mirume通信】No.1 「みるい」をつなぐ

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「みるい」をつなぐ

 「みるい」とは、「若い」「みずみずしい」「やわらかい」という意味の静岡の方言です。そこから派生し「若く、やわらかい芽」を「みる芽」といいます。みる芽のお茶は、旨みや甘みが強く、飲むとホッとするお茶です。

 当店では、これまでお茶にあまり興味のない方や、お茶に詳しくなりたい方に、より日常的に「みる芽」で作られたお茶を楽しんでいただけるようなきっかけのご提供を目指して参りました。これからもお茶の楽しさを探究、発信すべくより一層想いをこめ、取り組みます。

 

香小町≒お茶のうす塩ポテチ

 店主松本に一番お客さんに飲んで欲しいお茶を聞いたら、「一番は香小町。香小町が目指すのは、お茶の『うすしおポテチ』です。ポテチって色々あるけど、繰り返し食べたくなるのはうすしおだよね。そんなお茶が目標です」そんな答えが返ってきました。

🍃香小町ができるまで

 最初は、シンプルな深蒸し茶から始まりました。深蒸し茶の特徴は渋みが少なめなことです。それにより、湯温による渋みのコントロールが不要となり、手軽に淹れることができます。一方、青葉アルコールが揮発してしまい、お茶らしい香りは控えめになります。

 そこで、浅蒸しの茶葉をブレンドし、香りと渋みを加えました。その後、深緑茶房でかぶせ茶の生産を始めました。かぶせ茶は栽培時、遮光シートを茶の木にかぶせて作られます。しっかりした旨みと甘みが特徴です。こちらもブレンドし、よりバランスが良いお茶となりました。
 「火入れ(焙煎)」という仕上げ作業も三つの茶葉を分けて行い、それぞれの茶葉の特徴を活かせるよう丁寧に加工しています。

🍃まろやかな味わい

 淹れると、やや濁りのある黄緑色をしています。この濁りのもとは、細かくなった茶葉で、飲む時に舌をコーティングすることで渋みを感じにくくします。コクや甘みの感じられるお茶です。

 確かに香小町は「うすしおポテチ」的な存在かもしれません。私も気軽に水出しが飲みたい時、一人で急須を使ってゆっくり飲みたい時、家族の水筒にお茶を淹れる時、香小町が自宅にあると、いつも無意識に香小町を手に取っています。手軽さや黄緑色の水色が気に入っているのも理由ですが、何よりどのシーンにもなじむ優しい味わいが好きです。

 

 

「深緑茶房」と「mirume」

私はmirumeで働く前、初めて買い物に来た時、深緑茶房とmirumeの関係が不思議でした。パッケージの雰囲気も、白っぽくてシンプルなものと、昔ながらのものと二つに分かれています。

 実は深緑茶房は店主松本のお父様と他二戸の茶農家が始めた、戦後から続くお茶屋さんです。mirumeは深緑茶房の技術や挑戦する姿勢を引き継ぎ、これまでにないようなお茶のあり方を探究する独立した組織です。

🍃飯南茶は1950年代から

 戦後1950年代、日本が豊かになるにつれ、お茶の需要も高まりました。特に東京に住む人たちが、静岡県の深蒸し煎茶を好んでいました。その需要に応えるべく、静岡県に似た気候の三重県飯南町で、深蒸し煎茶の製造が始まりました。それまで養蚕のための桑畑だったところが、茶畑へと変わりました。

🍃深緑茶房は飯南茶を守るために作られた

 1980年代までは順調に売上を伸ばしていましたが、1990年代になると徐々にお茶の国内需要が低下し、飯南茶の茶農家にも危機が押し寄せました。

 そこで、飯南町の三戸の茶農家(松倉、中村、松本)は、法人化し、一つにまとまることで効率化を図り、茶葉生産量を安定させ、飯南茶を守ろうとしました。これが深緑茶房の始まりでした。

🍃2013年深緑茶房名古屋店オープン

 名古屋に初出店しました。「お茶を若い世代にも届けたい」という想いの元、オープンしました。しかし、2021年新型コロナウイルスの影響で名古屋店撤退が決まりました。その時、店主松本が深緑茶房の想いを引き継ぎ、独立。那古野にて伊勢茶カフェ「mirume」をオープンしました。

 

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