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【mirume通信】No.2 「焙じる」とは

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名古屋ほうじ茶

 栄や名駅の地下街を歩いていると、ほうじ茶の甘く香ばしい香りがして、思わず歩調が緩むことがあります。地下街の店舗で妙香園さんが茶葉を焙じている香りです。妙香園さんのほうじ茶は「名古屋ほうじ茶」と呼ばれています。そう呼ばれるほど名古屋の方々の生活に溶け込み、愛されてきました。

 今年の冬はmirumeでも五種類のほうじ茶をご用意しました。「名古屋のほうじ茶」をより一層盛り上げていきたいと思っております。皆様に飲み比べて楽しんでいただける体験をお届けします。

 

「焙じる」とは

 「今年の冬はほうじ茶を取り上げます」九月頃、店主松本からスタッフにそのように伝えられました。それから出勤のたびに、スタッフで取り寄せられた色々なほうじ茶を飲み比べました。飲み比べると、ひとくくりにほうじ茶といっても、味も香りも同じものはなく多様です。

 一体ほうじ茶の定義とは何なのでしょうか。実はほうじ茶は、広義的には茶葉を作る工程の最後に強火で炒る、つまり焙じることで次の四つの反応が加わったお茶です。

🍃メイラード反応で甘く香ばしい香りが生まれる

 茶葉中のアミノ酸と糖が高温で加熱され褐色物質が生み出されます。それだけでなく、ピラジン類などの香ばしくリラックス作用のある香りも作られます。またカラメル反応という、糖分を高温で熱することで甘い香りを生ずる反応も同時に起こります。

 これらの反応により、コクのある香ばしさが生まれています。

🍃カテキンが減りまろやかになる

 お茶の渋み成分カテキンは焙じることで姿を変えます。エピ化(分子の立体構造が変化する反応の一つ)、重合化、分解などの化学反応によってカテキンが減り、まろやかになります。

 

🍃カフェインが気化し、苦みが減る

 高温で焙じることで固体のカフェインの一部が気体となり抜けていきます。178℃で反応するため、低めの焙煎温度ではカフェインが残っていることがあります。茎ほうじ茶は茎自体カフェインが少なく、カフェインを控えている方にも安心して飲んでいただけます。

 ほうじ茶は大なり小なりこれらの反応が加えられたお茶です。その他茶葉や製法のかけ合わせでたようなほうじ茶が生まれています。

 

mirumeのほうじ茶五種


🍃砂炒り茎ほうじ茶

 茎部分のみを熱せられた砂(小石)と一緒に強火で長めに焙じています。熱せられた砂から遠赤外線が放射され、茎の表面がムラなく高温になり、徐々に内側まで熱が伝わります。石焼き芋が石焼きで旨みが閉じ込められるように、香りが閉じ込められ、香ばしく甘い香りが強いのが特徴です。茎だけを使用しているので渋みはほぼなくやさしい味わいです。



🍃白茎ほうじ茶

 茎と葉を砂炒り製法で弱火で短めに焙じています。繊細な観察と見極めにより、丁寧に作られています。砂炒りで中まで火が通り膨らんだ茎が、白骨のように見えることから以前は白骨茶と呼んでいました。香ばしさと、煎茶のような甘みや旨みが楽しめます。ほうじ茶と煎茶の良いとこどりです。


🍃半発酵ほうじ茶

 半発酵茶を焙じたお茶です。半発酵茶とはウーロン茶のことで、生葉を摘んでから萎凋(萎れさせて酸化発酵を進めること)して作られます。そうして作った半発酵茶を釜で焙じています。

 リナロール、ゲラニオール、シス-ジャスモンといったジャスミン香と、キャラメルのような香ばしさが感じられます。葉を揉み込む工程が少なく、味成分が浸出しにくいため、あっさりした味わいです。

 


🍃手炒り炭ほうじ茶

 成熟した茶葉を枝ごと蒸して天日乾燥し、鉄鍋で手動でかき混ぜ焙じています。手動による焙じムラで燻され、スモーキーな香りです。天日干しでやや発酵され、控えめな酸味があります。落ち葉のような荒々しい茶葉が印象的です。

 


🍃初摘みほうじ茶

 春の若く柔らかい芽を収穫し、ごく浅めに焙じています。「千寿」「深緑」と同じくらい若い芽を使用した贅沢なほうじ茶です。淹れた後の茶殻は、茎部分も食べられる程柔らかいです。最も煎茶寄りで、旨み、甘みが強く、渋みも楽しめます。

 

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